『風の谷のナウシカ』に登場する大ババ様は、風の谷の長老です。
腐海辺境一の高齢者で、村で一番の知恵者でもあり、風の谷の村人たちから敬愛を受けている存在です。数々の印象的なセリフが記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、大ババ様の物語中での役割や、原作と映画での違いなどを詳しくご紹介します。
多くは語られていない人物像を知ることで、大ババ様のセリフを聞いた時の感じ方も変わってくるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
大ババ様は風の谷の長老
大ババ様は、ナウシカたちが暮らす風の谷の長老です。
高齢ゆえに博識で、村人に知恵や助言を授け、古くからの伝承を後世に伝え続ける役割を担っています。
体型は小柄で、装飾付きの茶色いローブを身にまとい、いつもフードを被っています。
映画でも原作でも「大ババ様」「ババ様」としか呼ばれておらず、固有名称は明かされていません。英語版では「Obaba」という名称で翻訳されています。
大ババ様の年齢は100歳以上。ジブリの女性最高齢?
顔全体に広がったシワなど、見た目からも年齢を感じさせる大ババ様ですが、その年齢はなんと100歳以上。腐海の毒に汚染されて平均寿命が短いこの世界では、奇跡的と言える存在です。
ジブリ作品に登場するキャラクターで100歳を超えているのは、人間では大ババ様だけです。老婆のキャラクターとしては「天空の城ラピュタ」のドーラや「ハウルの動く城」のソフィー(呪いがかかった状態)も有名ですが、それぞれ50歳代・90歳と、大ババ様の年齢には届きません。
大ババ様のどこか威厳に満ちた立ち振る舞いは、生きている年月の長さも理由の一つにあるのかもしれないですね。
風の谷の村人は大ババ様を敬愛している
大ババ様は風の谷の村人から敬愛を受けており、族長ジルやユパからも一目置かれている存在です。
作品中では、ナウシカやジルを呼び捨てにして親しげに会話するシーンもあり、風の谷の中ではかなり立場の高い人物であることが分かります。
侵略者であるトルメキア軍には毅然とした態度を見せるなど厳しい一面も持ち合わせていますが、風の谷の村人に対しては優しく接しており、村の子どもたちからも慕われています。
>>【風の谷のナウシカのキャラクターまとめ】これを読めば登場人物が全部わかる!
ナウシカと大ババ様の関係
大ババ様は、ナウシカと直系の血縁関係にはありません。ジルやユパとも同様です。
しかし風の谷に住む人々は長い間、ひとつの民族が同じ場所で外部との交流なく歴史を重ねてきていることから、遠い祖先までさかのぼると実は親戚関係だった、という可能性は十分に考えられます。
物語中に登場する風の谷の住人で、血縁関係が明確になっているのは、族長のジルとナウシカが親子関係にあるということだけです。
>>【風の谷のナウシカ】主人公ナウシカは蟲の気持ちがわかる!?唯一腐海の正体に気づいた
大ババ様が風の谷や腐海に抱える想い

大ババ様はどこか達観した考えを持っており、風の谷や人類が抱える運命をすべて受け入れている節があります。
『風の谷のナウシカ』の世界では、人類は腐海の毒や蟲に長い間苦しめられてきたため、トルメキアやペジテのように「腐海を焼き払うことが人類のためになる」と考えている人が大多数です。
大ババ様は、人類が自然の強大な力には到底かなわないことを理解しており、やがて腐海に支配され滅びてゆくであろう運命に抗おうとはしません。また王蟲が津波のように押し寄せる「大海嘯」と呼ばれる自然現象の恐ろしさを知っていることから、人類が腐海に手を出すことに対して強い拒否感を示しています。
もしかしたら古くからの伝承のひとつである「青き衣の者」が、いつか世界を救ってくれると信じている可能性もありますが、その真意は定かではありません。
大ババ様は目が見える?原作と映画版での違い

映画での大ババ様は、目が見えません。その事実は、トルメキアが風の谷を侵略してきたとき「殺すがいい!盲(めしい)の年寄りさ、簡単なものだよ」という発言をしていることからも分かります。
原作では目が見えますが、映画と同じようにローブのフードを深く被っており、その表情はよく確認することができません。
その他、原作と映画を比べてみると、大ババ様の物語への関わり方も大きく異なっています。映画では重要なキーパーソンとして扱われているのに対し、原作では物語の終盤でようやく登場するほどで、映画のストーリーである1~2巻には一切登場しません。
映画での大ババ様のセリフは、原作ではどのキャラクターの言葉とされているのか。映画を観てから原作を読み比べてみると新しい発見がありそうですね。
>>ナウシカは原作では人工人間だった?風の谷のナウシカの映画では語られない真実
大ババ様の声優は京田尚子

大ババ様の声を担当したのは、女優兼声優の京田尚子さんです。
京田さんは幼い頃から子役として活躍し、85歳を超えた今でも現役として活動を続ける大ベテラン声優です。演じる役柄は老婆役が多く、大ババ様の他にも「幽☆遊☆白書」の幻海、「めぞん一刻」の五代ゆかりなどの代表作があります。
威厳を感じさせながらも、どこかコミカルで個性的な人柄を演じるのが得意で「老婆役の声優といえば京田尚子さん」と答える人も多いほど。風の谷の長老として生きる大ババ様は、まさにハマり役とも言えるキャスティングです。
英語版声優はトレス・マクニール。ジブリのあのキャラの声も担当!

英語版の『風の谷のナウシカ』で大ババ様を演じるのは、アメリカの声優であるトレス・マクニールさんです。アニー賞を声優部門で何度も受賞しているベテランです。
トレスさんは他にも数多くのジブリ作品に出演しており「魔女の宅急便」のおソノさん、「天空の城ラピュタ」のおかみさんなども演じています。
色々なジブリ作品を英語版で観て、トレスさんの声を聞き比べてみるのも面白いかもしれません。
大ババ様の名言・名シーン

場面に登場するたびに大きな存在感を示す大ババ様。たくさんある名言の中から、特に印象的なセリフをいくつかご紹介します。
1.「腐海に手を出してはならぬ」
トルメキアが風の谷に侵攻し、クシャナが「森の毒や蟲に怯えないため腐海を焼き払う」と演説していたときに放ったセリフです。
腐海の長い歴史のなかで、森を焼き払おうとするたび王蟲に街や国が滅ぼされてきた事実を、大ババ様は知っています。そのためクシャナに対して「そんな恐ろしいことをしてはいけない」という忠告を与えているのです。
普段、感情を露わにしない大ババ様の必死の訴えに、思わず目が釘付けになるシーンです。
2.「定めならね。従うしかないんだよ」
トルメキアを襲おうとしたペジテの策略により、怒り狂った王蟲の群れが風の谷へ向かっているとき、村の子どもからの「みんな死ぬの?」という問いかけに答えた大ババ様の言葉です。
普通の人間なら誰でも死を恐れるものですが、大ババ様は違いました。このまま王蟲に滅ぼされるであろう風の谷の運命を悟り、せまりくる風の谷の最期を静かに受け入れようとしています。
3.「なんといういたわりと友愛じゃ」
ナウシカが王蟲の群れに跳ね飛ばされた後で、動きを止めた王蟲たちが、傷ついたナウシカを癒していることを知ったときに放った言葉です。
この後には「王蟲が心を開いておる」というセリフが続きます。いくつもの国を滅ぼし、人間にとって脅威的な存在であった王蟲が、人間の傷を治療するなど信じられないという、大ババ様の驚きと喜びの感情を読み取ることができます。
4.「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」
『風の谷のナウシカ』の物語終盤、王蟲に撥ねられて一度絶命したナウシカが、王蟲の力により蘇ったとき、風の谷の古い言い伝えは真実だった!と大ババ様が放った言葉です。
映画で語られている伝承の全文は「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地に導かん」です。青い服を着た人が大地を浄化し、いつか腐海に怯えることのない日が訪れるだろうという意味が込められています。青き衣の者を探すのはユパの旅の理由のひとつでもありました。
蘇ったナウシカは、王蟲の体液で青く染まった服をまとい、金色に輝く王蟲の触手の上を歩いていました。この様子を知った大ババ様は、古くからの言い伝えは本物で「その者」がナウシカであることを理解するのです。
>>【風の谷のナウシカ】心に響く名言・名セリフ24選!ナウシカの名言や名シーンからわかるセリフの特徴とは?
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大ババ様は村人に知恵を授け伝承を語る、風の谷の生き字引的存在
『風の谷のナウシカ』の大ババ様は、100歳を超える風の谷の長老で、伝承の語り部として物語を動かす重要な役割を担っています。
腐海に怯えながら生きてきた人類の長い歴史を知る大ババ様の言動は、ひとつひとつに重みがあり、物語を観ている人の心を大きく揺さぶります。
京田尚子さんの魅力的な吹き替えもあいまって、強い存在感を放つ大ババ様。ぜひ映画を観て、その存在感を肌で感じ取ってみてください。
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