『風の谷のナウシカ』に少しだけ登場する女の子、ラステル。彼女は不運な事故により物語の序盤で命を落としてしまいます。
ラステルは序盤で死んでしまうため、映画の中でほんの少ししか出番はありません。しかし彼女の存在はその後の物語にも影響しており、『風の谷のナウシカ』のなかで重要なキャラクターの1人です。
今回は基本的なラステルの情報から、ラステルが物語にかかわる部分についてお話しします。
この記事を読めば、ラステルのことがわかりますよ。ぜひご覧ください。
>>【風の谷のナウシカのキャラクターまとめ】これを読めば登場人物が全部わかる!
ラステルはペジテのお姫様でアスベルの双子の妹

ラステルは、工房都市ペジテを治めるペジテ市長の娘です。同じくペジテ市長の息子、アスベルは双子の兄でした。
年齢はアスベルとナウシカと同様に16歳と若い女の子です。
唯一出番があるシーンのラステルは、4つ以上の宝石がついている帽子を被り、赤い服を着ています。髪色はナウシカよりも少し暗めの茶色ですが、2人はどことなく顔立ちや雰囲気が似ていますよね。
お姫様という立場も年齢も同じですし、ラステルとナウシカの差は髪色と髪の長さくらいのように感じます。
ラステルはトルメキアの捕虜として連行される

ラステルは、トルメキアの捕虜として飛行船に乗せられていました。ペジテ市からトルメキアへ輸送中だったと思われます。トルメキア軍は、女性や子どもを捕虜として選んでいたそうです。一国の長の娘を捕虜にするんですね。
なぜ、ペジテ市から連れ去られていたかというと、トルメキアがペジテ市との戦争に勝ったからです。旧世界の兵器「巨神兵」の胎(赤ちゃん)を掘り出したペジテ市は、巨神兵を狙っていたトルメキアに目をつけられて、滅ぼされてしまいました。
軍事大国であるトルメキアに敵うはずもなく、ペジテ市の男性はほとんど殺されてしまったそう。
自国を滅ぼされたラステルの心情は計り知れません。
ラステルは飛行船墜落の際、死んでしまう

ラステルは、トルメキアへの輸送中に乗っていた飛行船が墜落して亡くなります。
なぜ飛行船が落ちたのか。理由は2つあります。
1つ目は、捕虜と一緒に飛行船に乗せていた巨神兵の胎が重すぎたからです。
最大積載量を越していたらしく、飛行船が重みに耐えきれなかったようでうまく飛べませんでした。巨神兵を飛行船に積んだとき、重さ的に難しいとは思わなかったのでしょうか。
2つ目は、操縦不能になった飛行船が腐海という人間に危害を与える森にはいってしまい、蟲(むし)を殺したからです。蟲は腐海の番人。なかには銃も効かない生き物もいます。
蟲を1匹でも殺してしまうと、王蟲(おうむ)という怒ると凶暴になる生き物がやってきて、人に報復をしようとします。
飛行船は蟲を1匹殺したことにより、他の蟲にも襲われていました。それが一番の原因で飛行船は墜落してしまいます。ラステルにとって不運な事故としかいいようがありません。
ナウシカがラステルの服を閉じた理由は鉄骨で胸が潰れていたから

『風の谷のナウシカ』のなかで、印象的なシーンがあります。それは、ナウシカがラステルの介抱をしようと服をひろげるも、すぐに閉めてしまったシーン。
ラステルがどういう状態だったのか描かれておらず、また言葉もないために何があったのか、視聴者にはよくわかりません。
実はラステルの直接の死因は、飛行船の鉄骨に胸を潰されていたからだといわれています。
ナウシカがみてもラステルはすでに助からない状態だったため、開けた服をすぐに閉めたのでしょう。近くに城おじもいたため、不必要に男性に肌を出さないようにしたのかもしれません。
ロマンアルバムでは、「残酷な描写として直接描けなかったが、胸を押し潰されて助からない状態だった」と説明されています。
ラステルの遺言は「積荷を燃やして」

ラステルが残した最後の言葉は、「積荷を燃やして」でした。
この「積荷」とは、巨神兵の胎のことです。巨神兵は「火の七日間」という旧世界が滅びたときに使われた戦争兵器。ラステルはその危険性を知っていたのでしょう。
ナウシカに積荷を燃やしてほしいとだけ伝えて、彼女は息絶えてしまいました。
ちなみに、このときラステルに対してナウシカは「積荷は燃やしたわ」といっていましたが、巨神兵は火で焼かれても酸の湖に埋められても死にません。
結局このときの炎では燃えず、巨神兵の胎は風の谷へと運ばれました。そして、そのあとトルメキア軍に奪われて結局また争いに使われることになります。
ナウシカとラステルは似ていた?

風の谷のお姫様ナウシカと、ペジテ市のお姫様ラステル。2人は似ているとされている描写がいくつか映画のなかにあります。
似ているといわれる点を2つご紹介します。
1. ナウシカがラステルの母に自分の母が一瞬見えたといっている
ナウシカがペジテ市の男性たちに捕まったあと、ある部屋に連れていかれます。そこには、ペジテ市長の妻でアスベルとラステルの母がいました。
ナウシカはラステルのお母さんをみたとき「お母様…」とつぶやきます。
ナウシカが風の谷を救うため、ラステルの母や他の女性たちを置いていかなければいけない状況では、「母様を放っては行けないわ!」と叫んでいました。
雰囲気や顔立ちが似ていたため、ラステルの母に亡くなったナウシカの母の姿を投影していたのだと思われます。
2. ラステルの服を着たナウシカをペジテの兵は撃てなかった
捕まったナウシカの代わりにペジテ市の女の子が身代わりに名乗り出ます。その際、ナウシカは女の子に差し出されたピンクの服を着用しました。
ペジテから脱出したナウシカは、風の谷に王蟲の群れが押し寄せるのを避けるため、ペジテ市の作戦を止めさせようと動きます。作戦を遂行したいペジテ市の男性は、若い兵にナウシカを撃てと命令しますが、兵はナウシカのことを撃てません。
ピンクの服を着たナウシカが、自国の姫であるラステルにみえてしまったからです。
ラステルが自国の民に慕われていたことがわかった瞬間でした。
>>【風の谷のナウシカ】主人公ナウシカは蟲の気持ちがわかる!?唯一腐海の正体に気づいた
ラステルの声優は冨永みーなさん

ラステルの声を担当したのは、女優で声優の冨永みーなさんです。冨永さんは、『風の谷のナウシカ』の他にも『あらいぐまラスカル』のアリス役や『それいけ!アンパンマン』ではロールパンナ役と2代目のドキンちゃん役を務めています。
またナレーションもされていて、『開運!なんでも鑑定団』や『いきなり!黄金伝説』などの人気番組を担当していました。
実力も実績もある冨永みーなさん。もう少し、ラステルの声を聞いていたかったですね。
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『風の谷のナウシカ』のラステルは国民からも慕われるお姫様だった

『風の谷のナウシカ』のラステルは、登場シーンこそ少ないですが、ペジテ国民から慕われているお姫様でした。彼女は自分が死の淵にいるにもかかわらず、ナウシカに「積荷(巨神兵)を燃やして」と告げています。
自分の身よりも世界のために、巨神兵の胎をこの世から消してくれとお願いしているのです。
ラステルの存在により若いペジテの兵はナウシカを撃つことを躊躇し、またナウシカはアスベルからも「もう少しでぼくは妹を看取ってくれた人を殺してしまうところだった」という言葉をもらっていました。
ラステルの登場シーンは少ないですが、彼女は『風の谷のナウシカ』のストーリーに最後まで影響を残しています。
一度『風の谷のナウシカ』をみたことがある人でも、ぜひ映画をもう一度みてみてはいかがでしょうか。ラステルのことを知った状態で再度みると、新たな発見があるかもしれませんよ。
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