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謎の城ラピュタ帝国は一体誰が作ったのか?全盛期ラピュタ帝国の歴史と今も残る不可解な点

皆さんはジブリ映画『天空の城ラピュタ』に出てくる「ラピュタ帝国」は、そもそも誰によって作られたのか、気になったことはありませんか?

「天空の城ラピュタ」は、1986年(昭和61年)に設立された「スタジオジブリ」の第一作目にあたり、公開から35年経った今でも色褪せない人気を誇っています。そして同時に幾つかの謎も残っています。

作中では正式に述べられていませんが、おそらくシータとムスカの先祖がラピュタ帝国を作ったのではないかといわれています

ムスカ大佐の、

「君はラピュタを宝島か何かのように考えているのかね。ラピュタはかつて恐るべき科学力で天空にあり、全地上を支配した恐怖の帝国だったのだ」

というセリフから、ラピュタ帝国は超大国であったことも伺えます。

※映画作品や小説のネタバレを含みます。

出典:スタジオジブリ

今回は、超大国「ラピュタ帝国」を作ったのはシータとムスカの先祖なのか、そしてラピュタが浮いている仕組みや謎をまとめて調査したのでご紹介します。

この記事を読んだあとは、「ラピュタ帝国」について更に深堀りしたくなり、今までとは違った視点で「天空の城ラピュタ」を楽しむことができるでしょう。ぜひ、最後まで読んでチェックしてみてください!

目次

ラピュタ人によって作られた閉ざされた帝国

出典:スタジオジブリ

公式ではラピュタ帝国を誰が作ったのか明らかになっていませんが、シータとムスカの先祖が作ったのではないかといわれています。

パズーの、

「今はもう誰も住んでいない神殿にたくさんの財宝が眠っているんだって。でも誰も信じなかった。父さんは詐欺師扱いされて死んじゃった。」

というセリフから、ラピュタ帝国は伝説のような「浮いている島」として語られていたことが分かります

作品中でムスカは最初からラピュタのことを詳しく知っており、ラピュタの古文書に載っていたラピュタの伝承を書き記した手帳を持っていました。

出典:スタジオジブリ

そして、シータも飛行石について次のような説明をしています。

「私の家に古い秘密の名前があって、この石を受け継ぐ時、その名前も私受け継いだの。」

「私の継いだ名は・・・リュシータ、トエル、ウル、ラピュタ・・・」

2人の記憶や状況は違えどシータとムスカ大佐は、全盛期ラピュタ帝国に住んでいたラピュタ人の子孫ではないかと考えられます。

1. ラピュタ帝国の国章

出典:スタジオジブリ

国章は「翼のある町」です。映画の中でも、石板や飛行石に模様が描かれています。

2. ラピュタ帝国に住んでいる人種

かつて多民族国家だったとされるラピュタ帝国にも階級があり、その中でも頂点に立っていたのはラピュタ人とされています。パズーの世代までも受け継がれる「財宝が眠っている」伝説から、相当裕福な人たちが住んでいたのではないでしょうか。

シータとパズーがラピュタに到着する前から、崩落は進んでおり巨木などの植物や特権階級が住んでいたと思われる場所以外は既に崩落していました。

3.ラピュタ帝国の言語

ラピュタ人はラピュタ語を使っていたといわれていますが、特に設定では明言されていません。映画後半では、ムスカが自分の手帳に記しているメモのようなものと「黒い石」の文章を読み、「読める、読めるぞ!」と言っていたシーンがあります。

先祖が残したラピュタの古文書の文字を読んだということは、少なからずラピュタ人の言語「ラピュタ語」と考えるのが妥当です。

4. 戦争や防衛を行う軍事力

出典:スタジオジブリ

ラピュタ帝国の城内にはロボットの兵隊がいました。身長は3mほどで、巨大な軍事要塞をも壊滅できるほどのパワーを持っており、至近距離から拳銃で打たれても傷一つつかない硬度です。このロボットの材質が粘土なのか金属なのか、ムスカでさえ分かっていません。

出典:スタジオジブリ

ムスカがシータに「凄まじい破壊力を持つロボットの兵隊だよ。」と説明しているシーンがあります。そして、ロボット兵はシータの命令には忠実に従うところから、シータの保護を第一に行動原理として作られたと考えられます。

>>天空の城ラピュタのロボット兵は怖いけどかわいそう!名前とラストシーンの考察まとめ

飛行石によって浮かぶラピュタ帝国

出典:スタジオジブリ

ラピュタ人が地上に降り立ってからも「浮いている島」として名を残す「ラピュタ」。ラピュタは龍の巣という乱気流の雲に覆われています。

上部は緑豊かな植物とお城、そして下部には黒い半球があり、その中枢部には飛行石の結晶体が集まっています。では、なぜラピュタは浮いていられるのでしょうか。

出典:スタジオジブリ

飛行石とは、シータがペンダントにして首にかけていた青色の結晶石です。シータの先祖含めラピュタ人は、空気に触れるとただの石になってしまう飛行石を結晶化させる技術に成功し、ラピュタ帝国は超文明都市として変わっていったとされています。

結晶化された飛行石は、巨大な構造物を浮かし、強力な兵器やロボット兵のエネルギー源になりました。

ムスカのセリフには、下記があります。

出典:スタジオジブリ

「石は持ち主を守り、いつの日かラピュタへ帰るときの道しるべとして君に受け継がれたんだ」

ラピュタ王家の末裔であるシータが持つ飛行石は、生命の危機にさらされると自動で発動する仕組みになっているようです。これは空中から落ちてくるシータの体が宙に浮かび助かったシーンから読み取れます。

出典:スタジオジブリ

ドーラー家に追われて逃げている最中に洞窟の中で出会ったポムじいさんは、シータが持っている飛行石を見て「その昔、ラピュタ人だけが結晶にする業を持っていたと聞いたがなぁ。そしてでっかい島を空に浮かばしたとな・・・」と言いました。

『天空の城ラピュタ』のオープニングには、いくつもの飛行物体が出てくるカットがあります。もしかすると、シータがペンダントにしているのは飛行石の一部で、かつてはたくさんの飛行石が多数存在していたのかもしれません。

全盛期ラピュタが滅びた理由とは?

出典:スタジオジブリ

では、様々な技術が発達していたとされる、全盛期ラピュタ帝国が滅びた理由はどこにあったのでしょうか。

ここからは、ラピュタ帝国が滅びた理由として考えられる2つの説をご紹介します。

1. 超文明のラピュタ帝国でも治せなかった疫病

全盛期ラピュタが滅亡したのは、超文明のラピュタ帝国でも治せなかった疫病ではないかと考えられています。

ラピュタ帝国は700年前、正体不明の疫病によって住人たちは痩せ衰え倒れていき、これを境に城は封印され、ロボットは眠りについたといわれています。

豊かな生活が営まれていた超文明都市のラピュタ帝国でも治せなかったとされ、ラピュタ人は、疫病の流行により、逃げるかのように地上に降りたのです。

出典:スタジオジブリ

では、疫病がおさまってラピュタ人はラピュタ帝国に戻ってきたのでしょうか?

答えは恐らくNOでしょう。シータとパズーがラピュタに到着した時には、既に崩落はかなり進んでいました。ラピュタ帝国の崩落が進んでいることから、ラピュタ人は戻ってきていないことが分かります。

人工的に作られた自然の中で裕福な暮らしをしてきたラピュタ人が、地上での暮らしに戸惑いつつも本物の大自然を体感し、何物にも変えることができない価値あるものに気づいた結果だと思っています。

出典:スタジオジブリ

「土に根を下ろし、風とともに生きよう。種と共に冬を超え、鳥とともに春を歌おう」

これはシータが言っていた『ゴンドアの谷の歌』です。

飛行石の結晶化に成功する前は、ラピュタの下部にはプロペラがついており、風によって浮いていたという説もあります。

人工的な技術に頼らず、まいた種に水をやり、少しずつ成長して季節を感じながら実っていくことが本当の素晴らしさであり、人間は自然に生かされていることを改めて訴えているように感じます。

2. 滅びの呪文「バルス」で石版の力が崩壊

出典:スタジオジブリ

「バルス」という呪文は、シータがおばあちゃんから教えてもらった「おまじない」です。

ラピュタの下部には黒い半球があり、そこには石版のメインコンピューターがあります。物語後半で、銃を持つムスカの前で絶体絶命になったシータとパズーは滅びの呪文「バルス」を唱え、ラピュタの心臓に値する石版を自滅させラピュタ帝国全体を崩壊に導きました。

なんとか崩壊していくラピュタから、シータとパズーは逃げ切ることができ物語は終わります。そして、ラピュタ帝国は滅んでいったという説もあります。

また、過去にこの呪文を唱えた者がいることも考えられています

呪いの呪文が言い伝えられているということは、過去に使われたことがあるのではないでしょうか。その威力があまりにも凄まじかったため、使用してはいけない呪文であり、他の良いおまじないにも影響を与えるとされるのではという説です。

文明のあり方を問う「天空の城ラピュタ」

出典:スタジオジブリ

果たして人々の暮らしには、「文明」と隣り合わせでいることが一番大事なのでしょうか?

高度な文明や、優れた科学の中で暮らしてきたラピュタ人が疫病から逃れるために降りた地上には、「本物の自然と生きる素晴らしさ」がありました。

映画の中でシータは「人間は土と共に生きないと生きていけない」という場面があります。ここでは、一つのもの(文明)に特化して生きるのではなく、「変化を恐れず受け入れる状態を常に作り、地に足をつけて生きていく」意味も含まれている気がしました。

ラピュタ人によって作られたラピュタ帝国

出典:スタジオジブリ

ラピュタ帝国を作ったのは、シータやムスカの先祖を含むラピュタ人とされています。飛行石の結晶化を成功させたことによってラピュタ帝国が空中に浮き、凄まじく文明が発展していった科学力は、ムスカのセリフにもあった「人類の夢」と言えるかもしれません。

しかし、原因不明の疫病で地上に降りたといわれるラピュタ人たちが地上で得たものは、「財宝よりも価値あるもの」であったからラピュタに戻ってこなかったのだと思います。

登場人物のセリフ一つ一つが奥深く、細かい設定がありながらも見終わった人の中で更に世界を広げることができる素敵な作品です。ぜひ、今回ご紹介した点を踏まえてもう一度「天空の城ラピュタ」をお楽しみいただけると幸いです。

>>ラピュタのゴリアテってどんな飛行船?性能や由来を解説!

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