耳をすませば、といえばジブリ作品の中でもファンの多い作品として知られていて、何度も地上波放送が行われているくらいの人気作です。
今では有名俳優として活躍している人が声優として出演しているので、いろんな視点からファンを増やしています。
しかし、耳をすませばのキャラが「ウザくて嫌い」という声も多く、なぜなのか気になる人もたくさんいるでしょう。
名作と呼ばれる耳を澄ませばが嫌われてしまう理由と、根強いファンの意見についてもご紹介していきます。
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耳をすませばを嫌いな人から挙がる2つの理由

ジブリ作品は、生粋のファンもいれば「人気だからちょっと見てみようかな?」と思って観る人など、さまざまいます。有名だからこそ、多くの人に作品を観られて、いろんな意見が出てくるのは当然です。
特に耳をすませばが嫌い、ウザいと言われる理由は2つに集中しているので、解説していきます。
1. ヒロインである月島雫の性格
かなりの確率で挙げられる嫌いな理由は、本作のヒロインでもある月島雫の性格が最悪だ、というものです。
基本的なあらすじでは、月島雫はとても明るく、天真爛漫な少女という書き方をされていますが、実際は以下のような見る人によっては「ちょっと…」と思う行動をとりがちだと言えます。
- 成績が落ちたことを姉に叱られると「高校に行かない」と反発
- 親友の好きな人に本人の了解もなく勝手に親友が好きなことをバラす
- 結局見た目が良いイケメンに感情がなびく
中学3年生設定なので、思春期真っ盛りの多感な時期だとはいえ、どうなの?と感じてしまう方もいるようです。月島雫は夢みがちではありますが見た目が可愛いので、男子にモテます。
さらに、イケメンの天沢聖司と結ばれる、王道ヒロイン感が溢れる存在ですが、周囲への配慮が欠ける行動が目立つので、大人になって観るとイライラする人が多いのでしょう。
地上波放送も多い作品なので、夏になると耳をすませばを観るという人もいるくらいファンは多いですが、それでも「やっぱり月島雫だけは嫌い」って声も根強くあります。
ただ、若いうちは自分のことや目の前のことで一生懸命になりすぎて、無意識に人を傷つけてしまいかねません。月島雫が親友の好きな人に親友の気持ちをバラしたのも、相手が親友の気持ちに鈍感だから「良かれと思って」した行動です。
しかし結果的に、親友の好きな人は月島雫が好きだとわかってしまい、関係が崩れます。
親友の好きな人のことはさっさと振りますが、後々登場するイケメンの天沢聖司にはすぐに恋をするので観ている人は「結局顔かい」とイライラする人もいるのでしょう。よく考えてみると、中学3年生らしいといえばらしいので、そこまで月島雫がものすごく性格が悪い、とまでは言い切れないように感じます。
2. 耳すま症候群
耳すま症候群とは、爽やかで明るい青春漫画を見た人が自分自身の過去と比べて憂鬱になる症状の事を指します。自分自身が暗い青春を過ごしたと感じている人ほど、陥りやすいと言われているようです。
耳をすませばが嫌い!という人の中には、特定のキャラクターや物語が嫌いというよりも、作品全体に漂う「THE・青春」なシーンの数々に仄暗い感情を抱くことが多いようです。
耳すま症候群になる人の多くは、青春時代にあんなにキラキラした思い出がない、ドラマティックな初恋をしたかった…といった感情から鑑賞したあとになんだか気持ちが憂鬱になるようです。
ある意味「ジブリ最強」とも言える感情ですが、耳をすませばを観たあと、以下の気持ちになった人は間違いなく耳すま症候群の仲間入りを果たしています。
- 胸が痛い
- わけもなく辛い
- 自分でも驚くほどムカつく
耳すま症候群になると、しばらくもやもやして、過去のあれこれに思いを馳せるようになるのです。耳をすませばは、月島雫をヒロインとした爽やかで明るい青春ラブストーリーとなっています。
ちょっと紆余曲折はありますが、ドロドロとした感じはなくいかにも青春+甘酸っぱさが全開のストーリー展開です。
女性から見れば、月島雫は結構性格が微妙なのに、顔が良いからイケメンとも付き合えるし、モテるところ自分の青春と比べてムカつくと思うでしょう。男性から見れば、天沢聖司という無敵美少年にコンプレックスを感じるのかもしれません。
一般的な人が実現できなかった甘くて楽しい青春時代が耳をすませばを通して見ている気になり、自分とかけ離れている!と胸が苦しくなったり、無性にイライラしたりするのです。耳をすませばが嫌いという人の多くは、耳すま症候群を発症していると言えるかもしれません。
耳をすませばの簡単なあらすじ

読書が好きで夢見がちな中学3年生の月島雫は、いつも自分が借りる本の貸出カードに「天沢聖司」の名があることが気になっていました。
一体どんな人なのだろう?と淡い感情が沸き起こる雫の前に、バイオリン職人になる夢を持つ1人の少年が現れ、雫も自身の夢と向き合うことになります。
受験を控えた中学3年生の夢と、初恋の青春ストーリーです。出会ったあとの2人のやりとりにキュンとしたりまどろっこしさを感じたりと気持ちを揺さぶられるでしょう。
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耳をすませばは嫌いじゃない!ファンの意見

耳をすませばは、嫌い!という人でもなんとなく観ちゃう…というくらいに魅力のある作品です。面白くない、嫌いと思っていても地上波放送がされるとなんとなく気になってしまう人がたくさんいます。
ファンが多い=好きな人ばかりじゃない、とは理解できるでしょう。
そこで、ファンなりの耳をすませばが好きな意見をここではご紹介していきます。
1. 懐かしい学生時代を思い出す
多くの耳をすませばファンは、公開当時は学生でも長い年月をかけて好きになる人ばかりなので、実際大好き!って思うほどになる頃にはすでに成人している場合も多いです。
ジブリ作品の中でも、子供向けではなく同年代や大人が見て共感、懐かしめるような物語が耳をすませばの特徴だといえます。
耳をすませばの舞台は、実際にある土地なのでもともと地元だよ、という人や学生の頃友人や恋人と行った!など懐かしい思い出が詰まっている人もたくさんいるのです。
子供の頃見たアニメを大人になってから見ると、当時とは全く違う感情が沸き起こる場合もよくあります。人は懐かしさに感傷的になることもあれば、ワクワクすることもあるのです。
耳をすませばを観ると若かりし頃の懐かしい感情に揺られ、年月が経った自分と向き合うきっかけにもなり、やっぱり耳をすませばっていいなと思いますよね。
2. 使える?恋愛テクニックが学べる
耳をすませばの中でもかなり人気がある天沢聖司ですが、ただ顔が良いだけではなくてファンの間では「恋愛マスター」と呼ばれています。
青春の淡い恋愛物語ではないの?と思いますが、実は天沢聖司は非常に綿密な計画のもと、月島雫との距離を縮めていました。
話をしたことがない月島雫が気になる天沢聖司は、彼女の行動パターンを調べ上げ、好みの本の傾向を確認して彼女が読みそうな本の貸出カードに片っ端から自分の名前を書き込んでいます。
こうした行動は学習現象の一種の「刷り込み」と呼ばれるもので、特定の物事を短時間で覚え込ませて長時間脳内に滞在させる方法です。
天沢聖司がそこまで計算していたのか?についてはわかりませんが、見事毎回貸出カードに書かれている天沢聖司の名前を見て、月島雫は気になり、最終的に2人は付き合います。
このほかも、最初は悪い印象を与えて次に優しくするという「ゲインロス効果」も巧みに使用しているのです。
こうした天沢聖司の恋愛テクを、大人として見つけ出すことに楽しさを感じている人はたくさんいます。
耳をすませばが嫌い!って意見はあるけどファンも多い

ジブリ作品は、どの映像作品も「こういう説がある」とか「裏設定」などについて考察を楽しむファンが非常に多いです。
しかし、どんなに魅力的な作品でも苦手な部分があったり、キャラクターに感情移入できない…と嫌いだという人はいます。
耳をすませばもヒロインの月島雫が嫌い!という声が多かったですが、ファンの中では魅力で可愛いダイヤの原石扱いです。
月島雫はとても素直な人なので、モテるのも納得!と感じる人もたくさんいます。
ストーリーの展開上、「え!」と思うことは多々ありますが、全体的に漂うノスタルジックな雰囲気と天沢聖司が抱く月島雫への真っ直ぐな思いに胸を打たれる人がたくさんいるのです。
何度見ても胸きゅん展開が堪らない!と感じているファンの方が圧倒的に多い作品といえるでしょう。青春の甘酸っぱさを感じられつつ、ラストに向けてお互いが少しずつ成長していく様は、懐かしさを通り越して憧れます。
また、耳をすませばのファンが多いのは挿入歌の良さです。数多くの人がカバーしていて、現在も好きというて人がたくさんいます。
耳に残るメロディーと幅広い世代に受け入れられる歌詞の繊細さが、魅力的です。
天沢聖司がバイオリン職人を目指していることからも、音楽と深くつながりのあるものが理解なので挿入歌の良さは映像にも反映されて、一層良さがあってファンを惹きつけます。
>>泣ける!『耳をすませば』の主題歌「カントリーロード」の歌詞に込められた意味を解説
耳をすませばは何度も見返したくなる名作

耳をすませばは、広い世代にファンがいる作品です。
ジブリ作品の中でも「名作」と呼ばれる声が多いですが、一方で「ヒロインが嫌い」「観たあと自分を振り返って気持ちが沈む」という声も多くあります。ただ中学3年生ならではの部分も多く、夢を追いかける姿はとっても魅力的です。
今でも耳をすませばが好き!という声は根強く、何度も見返したくなる名作だといえるでしょう。
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