「好きなひとが、できました」
甘酸っぱいキャッチコピーで、スタジオジブリの作品では珍しく真正面から「青春」や「恋愛」を描いた名作「耳をすませば」。
きっと誰もが一度は観た事のある作品だと思います。しかし、記憶がおぼろげになっていたり、そもそもよく知らないキャラクターがいたりしませんか?
この記事では、「耳をすませば」についてもっと知りたいという方はもちろん、まだ見たことがないという人にも、キャラクターの魅力、物語で果たす役割や存在感が掴めるようにまとめました。
後半では出演している意外な声優情報も載せているのでチェックしてみてください。
>>知ってた?「耳をすませば」その後の展開を知って何倍も面白くなる!
「耳をすませば」の登場人物:メインキャラクター
耳をすませばの物語において重要なキャラクターを、独断と偏見で選んで紹介します。
1. 月島雫(声優:本名陽子)

この物語の主人公で、中学3年生。「本の虫」と言っていいほどの本好きで、物語のスタートとなる夏休みには本を20冊読む事を目標にしていました。借りた本をベンチに置き忘れたり、父親のお弁当を届けに行くも「地球屋」に寄り道して置き忘れたりするなど、少しそそっかしい一面も。
「カントリーロード」の歌詞を和訳して披露するなど、文才が顔を覗かせています。
天沢聖司が夢に向かって突き進んでいく姿に影響され、自ら「耳をすませば」という物語を書く事にも挑戦しました。
>>泣ける!『耳をすませば』の主題歌「カントリーロード」の歌詞に込められた意味を解説
>>耳をすませばのキャラがウザくて嫌い?名作なのに嫌われる理由やファンの意見!
2. 天沢聖司(声優:高橋一生)

雫の同級生。雫に思いを寄せていて、先に本を借りて図書カードに名前を残す作戦で雫に存在をアピールします。その目論みは当たり、実際に二人の恋が動きだします。
しかし初対面で雫をからかったことで「嫌なやつ!」と言われるほど第一印象は最悪でした。
バイオリン製作家になることを夢見ていて、家族の反対に遭いながらも、父親に課せられた二カ月の修行の後イタリアのバイオリン製作学校への進学を果たします。
3. 西司朗(声優:小林桂樹)

アンティークショップ「地球屋」の店主で聖司の祖父。地球屋に併設されているアトリエでバイオリン作りの教室を開いたり、アンティーク家具の修理などを行ったりしています。
聖司の家族で唯一、聖司の夢を応援しています。ドイツ留学の際にカフェで見つけたバロンを気に入り、店主を説得して日本へ持ち帰りました。
4. ムーン(猫)

雫を「地球屋」へと導き、物語の要所で雫と聖司をつなぐ、太った野良猫です。
雫との最初の出会いはなんと電車の中!地球屋に出入りして聖司に「ムーン」と呼ばれています。
しかし飼われているわけではなく、様々な場所で「お玉」や「ムタ」など色々な名前で呼ばれていています。雫や犬をからかうほど賢い一面も。
5. バロン(声優:露口茂)

司朗(聖司の祖父)がドイツから持ち帰った猫の人形。男爵の英語表記である「バロン」と呼ばれていますが、正しくは「フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵」という名前です。
司朗のドイツ時代の恋人が、相方の「貴婦人の猫の人形」を引き取りました。雫が書く物語の主人公のモデルになります。
>>猫に注目したら『耳をすませば』がもっと面白い!登場する猫たちと『猫の恩返し』の関係
2「耳をすませば」の登場人物:雫の家族
雫の家族もみな、個性や魅力の溢れるキャラクターばかりです。
1. 月島靖也(声優:立花隆)
雫の父。図書館で司書をしています。普段から子供に対して、口うるさく接してはおらず、本人の意思に任せている事が多いです。
雫が受験勉強をせずに物語を書く事も、理解を示し応援しました。
2. 月島朝子(声優:室井滋)

雫の母。大学院に通っており、作中では修士論文を執筆しています。
朝子もまた、子供の事にはあまり口を出すタイプではありません。本人の意思を尊重していますが、程よい距離感でちゃんとコミュニケーションをとっていることが伺えます。
3. 月島汐(声優:山下容莉枝)

雫の大学生の姉。自身の学生生活やアルバイトだけでなく、大学院に通う母をサポートするために家事も積極的に行うほどしっかりした性格です。
世話焼きなため、雫の進路に関して口を出し喧嘩をすることも。物語後半で一人暮らしをするため実家を出ています。
3「耳をすませば」の登場人物:雫と聖司の学校関係者
まさに青春ど真ん中!雫の学校生活を盛り上げる友人達を紹介します。
1. 杉村(声優:中島義実)

雫の同級生の男子で野球部に所属しています。雫に思いを寄せていて、告白するも振られてしまいます。エンディングでは原田夕子と並んで歩く姿が描かれ、進展があった可能性も示唆されています。
2. 原田夕子(声優:佳山麻衣子)
雫の同級生で親友。杉村の事が好きですが、杉村自身はその事を知りませんでした。そのため、杉村が先輩から頼まれて原田への告白の手伝いをしたことでひどく傷ついてしまいます。
しかしエンディングで原田と杉村のツーショットが描かれ、何かしらの進展があった事が伺えます。
3. 絹代(声優:飯塚雅弓)
雫の同級生。ヘアバンドをしています。聖司とは1年生の時同じクラスで「とっつきにくいけれど、ハンサムで勉強もできる」と言っていました。
4. ナオ(声優:千葉舞)
雫の同級生でメガネをかけています。雫、原田夕子、絹代と談笑したり昼食をとったりするシーンに登場します。
5. 高坂先生(声優:高山みなみ)
保健室の先生。さばさばとした性格で、生徒にはフランクに接しています。
雫たちとは保健室で一緒に食事をし、雫に頼まれて開放日以外の日に図書室を開けるなど、生徒に寄り添いちょっとしたお願いも聞いてくれる優しい一面が垣間見えます。
4「耳をすませば」の登場人物:その他のキャラクター
その他、「耳をすませば」に登場する個性的なキャラクターを紹介します。
1. 北(声優:鈴木敏夫)

司朗の友人で音楽仲間。メガネをかけています。雫と聖司が地球屋でカントリーロードを演奏した際はリュートを弾いていました。
2. 南(声優:井上直久)
司朗の友人で音楽仲間。口髭を生やしています。雫と聖司が地球屋でカントリーロードを演奏した際はタンバリンを叩き、コルネットやリコーダーを吹いていました。
3. 天沢航一
聖司の父親で医者。過去にPTA会長を務めていた事も。聖司のイタリア行きには反対の立場でしたが、二カ月の修行に耐えたことで、結果的に認めました。
4. ルイーゼ
司朗のドイツ留学時の恋人。バロンの恋人である貴婦人の猫の人形を引き取りました。バロンと共に再会することを約束しましたが、戦争に阻まれてしまいます。
戦争終結後に司朗がドイツを訪れるも行方不明で、未だ再会は果たせていません。奇しくも、雫の物語で描かれたバロンの恋人の名前も「ルイーゼ」です。
5. 貴婦人の猫の人形

バロンのつがいの猫の人形。司朗がバロンを引き取る際、恋人に託されました。しかし、司朗と恋人が再会を果たせないため、バロンと引き合わせることも叶っていません。
偶然ではありますが、雫が書く物語の中にもこの人形に似たキャラクターが「ルイーゼ」という名前で描かれています。
6. 原田夕子の父(声優:一般人)
雫が夕子の家を訪れた時に登場します。夕子と喧嘩をして口をきいてもらえていません。
7. 原田夕子の母
雫が夕子の家を訪れた時に登場します。雫を温かく迎えてくれて、最後も見送りをする姿が描かれています。
5「耳をすませば」を盛り上げる豪華声優陣をご紹介!

スタジオジブリの作品には毎回意外で豪華な声優が起用されています。「耳をすませば」で起用された声優陣の中で代表的な方を一部ご紹介します。
1. 月島雫、天沢聖司を演じるのは?その他にも有名人多数!
主人公月島雫を務めたのは本名陽子さん。スタジオジブリ作品では「おもひでぽろぽろ」の岡島タエ子の役も務めています。
天沢聖司役は今も俳優として第一線で活躍している高橋一生さん。出演当時は声変り前の声ですが、収録が終わってすぐに声変りが始まったという逸話も。
雫の母親、月島朝子役は、女優の室井滋さんが務めています。情景や細かい感情が自然に伝わってくる、圧巻の演技力です。
そして誰もが一度は聞いた事のある声と言えば高坂先生役の「高山みなみ」さん!名探偵コナンのコナン役でお馴染みの声優さんです。ジブリ作品では他に、魔女の宅急便のキキ役としても出演しています。
2. 原田夕子の父役は一般人!
主人公雫の友人である原田夕子の父親役を務めたのはなんと一般の方です!
「とんねるずのハンマープライス」という番組で、声優の権利を50万円で落札しました。セリフは「おかえり」の一言のみ。それでもジブリ作品に出演できるとすれば、金額以上の価値がある体験ですよね。
「耳をすませば」には魅力的なキャラクターがたくさん登場!

今回は「耳をすませば」のキャラクターの魅力、そして作品の中でどんな役割を果たしているのかが少しでも伝わるように紹介をさせていただきました。
生き生きと、自分の夢や目標に向き合いながら懸命に恋する姿は、きっと過去の自分のどこかにリンクします。折に触れて何度も見返したくなる作品「耳をすませば」を、この機会に是非ご覧になってください!
>>「耳をすませば」には原作があった!?映画版との違いを徹底解説
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