スタジオジブリの名作『耳をすませば』。この映画を観て、自身の青春を思い出した人も多いのではないでしょうか。
『耳をすませば』は、胸にも響いてくる名言ばかりです。そんな名言に触れて、心がホッとする時間を過ごしましょう。すてきな名セリフを17つ厳選したので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
耳をすませばの名言:月島雫の名セリフ

名言1:「自分よりがんばってるやつにがんばれなんて言えないもん」
バイオリン職人になるという夢に向かって突き進む聖司に対し、自分は何も努力できていない…だから自分には「がんばれ」という資格はない…と雫は落ち込みます。
「がんばれ」という言葉は、必死に努力している人にとっては呪縛にもなりかねません。相手に不快な思いをさせるかもしれません。中学3年生にして、そこまで他人に配慮ができる雫はとても立派ではないでしょうか。
名言2:「そうか、簡単なことなんだ。あたしもやればいいんだ」
雫は、聖司に大きな影響を受けます。自分もやりたいことをがむしゃらにやってみようと決意するのです。
元々書くことも読むことも好きだった雫は、物語を書いてみようと決めました。一度決意したら、雫はもう止まりません。若さゆえのまっすぐさ、行動力には驚かされます。
名言3:「分かったんです。書きたいだけじゃダメなんだってこと」
進路が決定する大切な時期に受験勉強を放り出し、物語を書き上げた雫。
しかしそうは言っても自分には才能があるのだろうか、勉強を投げ出してまでするべきことだったのだろうか、と不安で仕方ありません。頭の中にはもっとすてきな物語があるのに、うまく表現できないもどかしさも感じていました。
作品を読み終えた地球屋のおじいさん(西司朗)に優しい言葉をかけてもらい、思わず溢れ出した涙はきっと安堵と悔しさによるものでしょう。
雫の夢に対する強い思い、今は力不足であることの悔しさを感じさせるセリフです。
名言4:「私、背伸びしてよかった。自分のこと前より少し分かったから」
雫は物語を書いてみて初めて、自分は背伸びをしていたことに気づきました。物語を書くには、たくさんの知識や経験が必要だと分かり、進学しなければならないと考えを改めるのです。
実際に雫は物語を書くための下調べで図書室にこもりきりでした。世の中は知らないことだらけなのだと痛感したに違いありません。物語を書いた経験が、雫を一歩成長させてくれたとわかる名セリフでした。
名言5:「私だって役に立ちたいんだから!」

聖司がバイオリン作りの修行から帰ってきた日の朝、聖司と雫は自転車に2人乗りをして出かけます。坂道に差し掛かり、自転車を漕ぐ聖司がしんどそうなとき、雫は自転車から降りて、後ろから押してあげながらこのセリフを叫びます。
これまで夢に向かって努力する聖司に、「がんばれ」と声もかけられなかった雫。
自分も聖司と同じように夢に突き進む経験をしてはじめて自信がつき、対等になれた気がしたのでしょう。これからは2人で力を合わせて、それぞれの夢に向かっていこう。そんな思いが垣間見える一言でした。
耳をすませばの名言:天沢聖司の名セリフ

名言1:「本当に才能があるかどうかやってみなきゃわからないもんな」
聖司がバイオリン職人を目指すべく、イタリアへ修行へ行くことを雫に打ち明けた時のセリフです。中学3年生の聖司の、チャレンジ精神には驚かされます。
大人になってしまうと、「やってみなきゃわからない」とわかっていても、何かしらの理由をつけてやらないことの方が多いのではないでしょうか。
私にもたくさん身に覚えがあります。聖司がさらりと言ってのけたこのセリフに、昔のやらなかった後悔を思い出してしまった人も多いのではないでしょうか。
名言2:「お前を乗せて、坂道のぼるって決めたんだ!」
これから先の人生にはたくさんの坂道がある。登っていくのは容易ではないけれど、聖司はちゃんとそれを理解した上で、雫と一緒に登るのだと決意していました。
聖司の覚悟と、雫とともに人生を歩んでいきたいと思う強い気持ちが垣間見える一言です。
名言3:「俺…今すぐってわけにはいかないけど俺と結婚してくれないか」

このセリフは、何度聞いても胸がキュンキュンしますね。
聖司の直球な愛の告白に、雫も「私もそうなればいいと思ってた」と返します。
なんとかわいらしい!!悶絶ものの名セリフです。中学生でプロポーズなんて!と思わないでもないですが、聖司と雫ならなんだかうまくやっていけそうな気がしますよね。
名言4:「雫、大好きだ!!」

映画のラストを締めくくるのが、聖司のこのセリフ。雫への思いが溢れ出し、思いきりハグまでしてしまいました。
このシーンではニヤニヤが止まらない人が続出したのではないでしょうか。朝日がのぼっていく演出が、2人の明るい未来を予見しているかのようでもありますね。
耳をすませばの名言:おじいさん(西司朗)の名セリフ

名言1:「しかし、バイオリンをつくったり、物語を描くというのは違うんだ。自分の中に原石を見つけて時間をかけて磨くことなんだよ。」
初めて物語を描き終えた雫に対して、地球屋のおじいさん(西司朗)が語りかけたこのセリフ。聖司のバイオリン作りや、雫の物語執筆は自分の中に原石(才能)が必要なものです。
原石を見つけだすことが第一歩。あとはゆっくり時間をかけて磨き続ける(努力する)ことが大切なのだと西司朗は言います。
夢を追いかける全ての人の胸に刺さる名セリフです。
名言2:「荒々しくて、率直で、未完成で…聖司のバイオリンのようだ」
雫の初めての作品は、当然ではありますが完成されたものではありませんでした。
はじめからなんでも上手くできる人はほとんどいません。聖司の作るバイオリンも同じ。2人はまだまだ未熟なのです。しかし荒けずりではあるにせよ、作品に対してまっすぐに向き合っていることが伝わってきたのでしょう。
2人のことをよく知り、人生経験も豊富な西司朗だからこそ出たセリフです。
名言3:「雫さんの切り出したばかりの原石をしっかり見せてもらいました。よくがんばりましたね。あなたはすてきです」
雫の初作品を読んだ西司朗が、雫にかけたやさしく包容力のあるセリフです。雫には原石がちゃんと存在すること、原石を切り出すことを諦めず、最後まで作品を書き上げたこと。
全てを認めて、すてきだと言ってくれたのです。何事もやり遂げるというのは大変なことです。やり遂げられるというだけで、実は才能だったりします。西司朗の言葉を聞いて、雫は堪えていた涙が溢れ出しました。
雫に対する深い愛情を感じさせる、心あたたまるセリフです。
耳をすませばの名言:雫のお父さんの名セリフ

「よし雫、自分の信じる通りやってごらん。でもな、人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。何か起きても誰のせいにもできないからね。」
受験勉強をやめてまで、今挑戦したいことがあるという雫に対するお父さんのセリフ。親としてはもちろん、雫に苦労をさせたくないし、受験勉強をしてほしいはず。
しかし、図書室で必死に調べ物をする雫の姿を見ていたお父さんは、雫の思いが相当のものであると気付いていました。
父親として、娘の背中を押してあげたい。しかし人と違う人生が困難を伴うことも知っている。だからこそ覚悟を持って挑戦して欲しい。
そんな思いのこもった、父親らしいセリフでした。
耳をすませばの名言:バロンの名セリフ

名言1:「遠いものは大きく、近いものは小さく見えるだけのこと」

地球屋にあった猫の人形バロンが放ったセリフです。
自分にとって遠くにあるものは、恐れや不安から実際より大きく見え、そして身近なものは、あって当たり前に感じ、実際よりも小さく見える。
つまり遠くにあるものだって、近づいてみれば案外小さかったり、近くにあるものだって、客観的にみれば案外大きかったりするのです。
聖司の夢への挑戦は、雫にとってとても壮大なことに見えていましたが、雫にだって物語を書くという夢があるし、訳詞を書き上げるほどの力もある。
挑戦してみれば案外できてしまうものかもしれない、と示唆するようなセリフでした。
名言2:「行こう!恐れずに!!」

聖司と自分を比較して、自己嫌悪に陥ってしまっていた雫。バロンのこのセリフで、雫は奮い立たされます。
それでもやりたい!聖司も頑張っているんだから!と一歩踏み出す勇気をくれた名セリフです。
耳をすませばの名言:番外編

ここからは番外編という事で、耳をすませばの中でも印象に残りネットでも多くの方が使われているような名言もとい迷言をご紹介していきます!
名言1:「コンクリートロードの方が俺はいいと思うぜ」

最終的には結ばれる二人ですが、雫の聖司に対する最初の印象は最悪でした。
雫が面白半分で書いた、主題歌「カントリーロード」の訳詞「コンクリートロード」。偶然聖司の目にとまり、「コンクリートロード」をからかわれてしまうからです。
きっと聖司は、雫と話すきっかけが欲しくて言っただけなのでしょう(笑)好きな子にはいじわるしたいお年頃ってやつかもしれません。
名言2:「やなやつ!やなやつ!やなやつ!」
聖司に「コンクリートロード」を馬鹿にされたと感じた雫は、もう怒り心頭。「やなやつ!」を連発しながら家に帰りますが、腹の虫がおさまりません。
冷蔵庫にあった麦茶をぐい飲みして、「なによ!」と締めくくるシーンは印象的です。
2人の出会いは忘れられないものになりました。
『耳をすませば』で生まれる名言の傾向

『耳をすませば』といえば胸がキュンとするような、恋愛にまつわる名言が注目されがちです。
しかし、ここまで『耳をすませば』の名言をみてきてわかるのは「夢を追いかけたことのある人たち」の心に訴えるセリフが多いということ。
- 夢を模索している人
- 夢に突き進むことができている人
- 夢を諦めてしまった
そんな全ての人たちに『耳をすませば』のセリフは響くのでしょう。
>>泣ける!『耳をすませば』の主題歌「カントリーロード」の歌詞に込められた意味を解説
『耳をすませば』のキャッチコピー

1995年に公開された『耳をすませば』。そのキャッチコピーは、「好きなひとが、できました」です。なんともストレートなコピーですよね。
解釈はさまざまあるようですが、ここでは個人的に思うことを紹介します。
「耳をすませば好きなひとが、できました」。タイトルと続けて読んでみるとこうなりますよね。耳をすますということは、じっと心を落ち着けて、もっと聞こえるようにするということを意味します。
聖司のバイオリンの音に耳をすます。雫自身の心の声に耳をすます。そうすることで、雫もまた聖司と同じように、自分の夢に向き合うことができ、彼のことも、自分のことも好きになることができました。
映画をみてからこのキャッチコピーをみると、こんな深い意味が隠されていたのではないかと、勝手ながら想像してしまいます。
>>「耳をすませば」には原作があった!?映画版との違いを徹底解説
『耳をすませば』はすてきなセリフがいっぱい!

あなたが1番心に残った耳をすませばのセリフは、誰のどんなセリフでしょう?映画『耳をすませば』には、すてきな名言がたくさんあります。
ほっと肩の力が抜け、心がじんわりあたたかくなるような時間をお過ごしいただけたなら幸いです。
>>猫に注目したら『耳をすませば』がもっと面白い!登場する猫たちと『猫の恩返し』の関係
>>耳をすませばのキャラがウザくて嫌い?名作なのに嫌われる理由やファンの意見!
コメント