今回は蜜蜂と遠雷はピアノの森のパクリ?酷似して似ているのか比較検証という事で、恩田陸原作の『蜜蜂と遠雷』が実写映画化されるということで話題になっていますね。
ところが『蜜蜂と遠雷』があの作品のパクリではないかと疑惑が浮上しています・・。
あの漫画とは、一色まこと原作漫画『ピアノの森』ですね。
ちなみに『ピアノの森』も実写映画化されています。
それでは早速あらすじなどをおさらいしていきながら、『蜜蜂と遠雷』と『ピアノの森』が酷似して似ているのか、そしてパクリなのか・・?などを検証していきたいと思います。
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蜜蜂と遠雷はピアノの森のパクリ?酷似して似ているのか世間の声を覗いてみた・・!
事務所にずっと置いてある蜜蜂と遠雷が気になって読んでみたんだけど、数ページ読んだだけでピアノの森じゃんってなった。恩田陸大好きだけど、流石にこれはパクってrとしか…
— さわ (@krsw4a) 2018年6月24日
『ピアノの森』をパクってるという方の感想では、最初の数ページですでにそう感じるようですね。
ピアニストという題材も同じですし、主人公のキャラ設定もよく似ているからでしょうか。それにしても最初の段階から「似ている」と感じるという事はよほど似ているのかなと思ってしまいますね。
恩田陸「蜜蜂と遠雷」読了。
ページをめくる手が止まらない程には面白いのだけど、長い物語のわりにどこか薄っぺらい気も。本屋大賞最近イマイチ、再読はしそうにない。というかこれ「ピアノの森」若干パクってないか?— よちろー (@yochirooo) 2019年6月6日
『蜜蜂と遠雷』は、かなりの長編作品です。
ただ、読破した後でも『ピアノの森』を連想してしまうほど似ているようですね。。
蜜蜂と遠雷はピアノの森のパクリ?蜜蜂と遠雷のあらすじを確認してみた

出典:https://mitsubachi-enraimovie.jp/
さて、まずは蜜蜂と遠雷のあらすじをさらっと確認してみましょう!
「芳ヶ江国際ピアノコンクール」の予選会に集まった4人のピアニストたち。
ある出来事がきっかけでピアノから離れていた元天才少女・亜夜。
その昔、亜夜とマサルの二人は出会っていました。コンクールを通じて、再び再会することとなります。
4人はコンクールでの優勝を目指しながら、互いに刺激を受け、時には葛藤しながらも、成長していくのでした。。
異なる背景を背負った4人の成長青春物語・・という印象の「蜜蜂と遠雷」。
映画の実写化では豪華なキャスト陣が競演します。という事で次はこのあらすじを覚えていつつ、ピアノの森のあらすじも確認してみましょう!
蜜蜂と遠雷はピアノの森のパクリ?ピアノの森のあらすじも確認してみた

出典:http://morning.moae.jp
主人公のカイが生まれ育った場所は「森の端」と呼ばれる周囲から忌み嫌われているようなところ。
そんな場所で暮らすカイの楽しみは、捨てられていたピアノを弾くことでした。
幼少期の頃、生涯のライバルとなる雨宮修平という少年に出会います。
自由奔放な演奏をするカイと完璧な演奏を目指す雨宮という正反対の二人。
さらにカイは、元ピアニストであった阿宇野壮介という人物と出会います。彼は世界的に有名なピアニストでしたが、交通事故により再起不能となってしまいました。
阿宇野はカイの才能を見出し、彼をピアニストとして育てる決意をします。
そして阿宇野とカイの二人は「ショパン国際ピアノコンクール」を目指します。
・・という事ですね。うん、かなり簡単なあらすじしか今回載せておりませんが、すでに「酷似」とまではいきませんが「設定が似てる?」と若干感じ始めています。
では、ここまでの内容を踏まえた上で、類似点などを比較、検証していきたいと思います。
蜜蜂と遠雷はピアノの森のパクリ?酷似して似ているのかを比較検証してみた!

出典:eiga.com
両作品のあらすじを比較してみただけでも、設定がピアニストという点では同じです。
しかし、それだけで似ているとは決めつけられません。
それでは具体的に『蜜蜂と遠雷』と『ピアノの森』が似ていると言われる理由を挙げていきます。
主人公の設定が似ている
・ピアノの森 主人公:一ノ瀬カイ
「森の端」で生まれ、娼婦の母親の元で育てられた少年。捨てられていたピアノを弾くことが楽しみ。
楽譜すら読めませんが、絶対音感と天才的なピアノの腕を持っています。
・蜜蜂と遠雷 主人公:風間塵
養蜂家の父親と共にフランス中を移動しながら暮らしている少年。自分のピアノを持っていません。
彼の演奏を聴いた者は賛否両論を唱えますが、天性のピアノの才能を持っています。
どちらの主人公も恵まれた環境で育っておらず、ちゃんとしたピアノを持っていないという点で似ています。
二人とも野生児だというキャラ設定も似ていますね。偶然とは言え、似ているとも確かに言えますね。
主人公の師匠となる人物の存在
・ピアノの森 カイの師匠:阿字野壮介
かつては天才ピアニストとして名を馳せた人物。事故で手に怪我を負ったことで、ピアニストの道を閉ざしました。現在はカイの小学校の音楽教師。
カイの才能を見出し、ショパン・コンクール出場への後押しをします。
・蜜蜂と遠雷 塵の師匠:ユウジ・フォン=ホフマン
ホフマンは世界最高峰のピアニスト。すでに亡くなっています。
塵は5歳の時からホフマンに師事してきました。
コンクール出場の際、塵はホフマンの推薦状を持っていました。
主人公の才能を見出した有名なピアニストの師匠。両作品に共通していますね。
彼らは主人公を導いていく重要な役割となっています。
確かにピアノだけに限らず、何かを学ぶ時は師匠、メンターとも言われる存在は必須。ですが、やはりここも似ていると言われるところかもしれないですね。
音の表現が同じ手法
どちらも音楽を題材にしています。
漫画であれ小説であれ、実際には聞こえない音を読者に伝える必要があります。
『ピアノの森』では、文章と絵で音を表現していました。
それは見事という他ありません。
『蜜蜂と遠雷』の作者である恩田陸は「この小説は絶対に小説でなければできないことをやろう」と決心して書き始めたと話していました。
つまりそれは、文章で音を表現しようと試みたということでしょう。
漫画と小説という違いはあれど、どちらも聞こえないはずの音を表現しようとした点では共通しているのではないでしょうか。
こうして『蜜蜂と遠雷』と『ピアノの森』とを比較してみると、共通している箇所があることが分かります。
ちなみに『ピアノの森』の方が『蜜蜂と遠雷』よりも11年早く連載をスタートしました。
そう考えると、後発である『蜜蜂と遠雷』が『ピアノの森』をパクったのではないかと思われてしまうのも無理はないのかもしれませんね。
ただ、ネット上では、ただ「似ている」からNGという訳ではなく、やはり独自性が強い。という声ももちろんあります。
少しそうした声を紹介していきます。
蜜蜂と遠雷はピアノの森に似ている?ただ、恩田陸作品の魅力を改めて知れる作品でもある!!
恩田陸「蜜蜂と遠雷」読了。曲の解釈が物語になぞらえて示されるのが面白くて「神の雫」を思い出した。「ピアノの森」にも似ているけれど、視点の多さと「クラシック音楽とは何か?」の未来を垣間見せている点が違うかな。曲をひたすら聴くだけでここまで書いたのだとしたら、作家の想像力は凄まじい。
— aoneko (@aoneko_aqua) 2019年5月2日
神の雫を彷彿とさせるという意見は他にもありました。確かに似ているというところもあるけれど、それ以上に文字だけでここまで表現ができたというところにかなり賞賛の声も上がっていました。
「蜜蜂と遠雷」雨で家待機の2日で読了。恩田陸初めてだったけれど読み応えかなりあった。モチーフはやはり「ピアノの森」に似ているけれど、圧倒的な言葉で音楽を取り巻く登場人物を表現する手腕、素晴らしい~
— *cafe* (@llcafell) 2018年7月8日
ピアノの森は漫画なので、文字と絵で表現ができるんですよね。ただ、蜜蜂と遠雷は文字のみ。言葉だけで読者に想像させ、音楽を伝える・・これは確かにかなりの手腕だと言えますね。
さすが恩田陸と思わざる得ませんね。
ナイス【蜜蜂と遠雷/恩田 陸】長かったけど読み始めたら終わるのがもったいないくらい面白かったです
ピアノの森や4月は君の嘘の世界観にも似ているけど最後は恩田陸らしさ満載でした!
ブ →https://t.co/GrdwqcRhli #bookmeter— hirok@京都 (@hirok1976) 2017年2月15日
ある意味、同じ「ピアノ」というテーマを取り扱っている以上は、世界観が似てくるのは仕方ないところもあるのかもしれません。
ただそこは恩田陸。そんな事も忘れさせてくれる圧倒的な言葉の力で、私達を恩田陸ワールドへと誘ってくれそうですね。
ピアノの森を知っている方は、蜜蜂と遠雷をいち早く映画館で視聴して確かめたいと思っている人も多いと思います。
映画公開がされたら、またパクリなのか似ているか?などで話題に今後もなりそうですね。
蜜蜂と遠雷はピアノの森のパクリ?のまとめ
今回は、『蜜蜂と遠雷』と『ピアノの森』が酷似して似ているのかどうか検証してみました。
両作品ともピアニストという題材が共通していたり、主人公のキャラ設定や表現の手法といった点で共通点が見られました。
しかも『蜜蜂と遠雷』の方が『ピアノの森』よりも後から発表された作品なので、パクったと思われてしまうのかもしれません。
ただこれだけは言えるのは、どちらも優れた作品であることは間違いありませんし、恩田陸さんの場合は小説。
文字だけで音楽という繊細なジャンルに取り組まれたという所で、やはり簡単に「パクリ」だと言ってしまっていいような代物ではないと言う事も改めてわかりました。
これから映画公開も控えていますし、ぜひ楽しみにしていただきたいと思います。以下の関連記事もぜひ合わせて確認してみてくださいね。